FATUM

その昔、まだ神々が人を創ってまもないころ、ある一人の少女に心を奪われた神がいた。

漆黒の髪に透き通るような声を持ったその少女を神は愛し、その少女が命を終わらせ、

黄泉の国に旅立ったとき、主神たるその神は一つの印を少女に与えた。

それは人ならざる紅の瞳、その証は少女が転生するたびに現れ、人々は少女を敬い、尊んだ。

神に愛された少女は奇跡の力を持ち、すべてのものから守られた。

神と対立する悪魔でさえ、少女に危害を加えることができなかった。

 

しかし、少女にとって生は苦痛だった。

自分を縛る鎖である紅の瞳を嫌悪し、自分を縛り付ける神に憎しみを募らせた。

愛した恋人から引き離され、神殿の中で一生を終えた前世の記憶を彼女はもって生まれてきた。

転生するごとの記憶は、彼女を束縛するものだった。

いつか、この鳥のかごから抜け出したい。

そう、思って当然のことを神は人の少女に架した。

転生するたびに閉じ込められる神殿、少女が老いることを拒んだ神は一定の寿命しか少女に与えなかった。

20の誕生日、その日に少女は息を引き取った。決められた生、そして生活

黄泉の国でしか少女の安息はなかった。

これはその300年後、すでに10回の人生を経験した少女の11回目の生にある変化が起こった。

 

 

狂った歯車はとまることがなく

この感情をとめることはできなかった

ただ、私は空が見たかっただけなのに

絶望などとっくに味わいつくしていたはずなのに

自分が傷つくだけと知りながら

どうしてあの手を取ってしまったんだろうか

もし、時間が帰ってくるなら

この狂気に満ちた愛情も、哀しみだけの運命も

ただ人形のように生かせられるだけの人生も

甘んじて受け入れるのに

なぜ、私はあの人以外のものをを愛してしまったんだろう

そうすれば、こんな希望など知ることもなかったというのに

 

 

永遠の安穏という檻の中で

ただ眠っていればよかったのに

 

        

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送