逃避願望
甘い声でささやいて。 遠くの空を 見つめる私に どうか 手を差し伸べて?
「俯いてないで」 君は言う。 「前を見て」 と繰り返す。 顔を上げたところで 広がる世界はおんなじで 足を踏み出さなきゃ 何も変わりなんかしない。
「行こうよ」 って手を引いて 私を 新しいトコに連れてって。 冒険好きの 君だって 光をまとった フェアリーだって 暗い森の 魔女だって 誰だっていいから
固まったままの 私に そのクチビルで 魔法の呪文をかけて。