視線




「あっついなぁ」


急に隣の席の水谷翔太がひじをついて、私の方を見ながら呟く。

「別に暑くないけど?」

そう、今は11月。“暑い”は間違っている。

どちらかというと、寒い。

「違う、違う。お前のあっつい視線がなぁ?」

疑問調に言われても。っていうか、あっつい視線!?

「はぁ!?何言って・・・」

つい大きい声を出してしまった。

ゴホン。

あ、しまった今は世界史の授業中。

先生に睨まれてしまった。

もう、水谷のせいなんだから!!

水谷を睨む。

「あ、またあっつい視線―」

「水谷っ」

あ、また先生に睨まれた。

くそーっ

また水谷を見たら、

くくくっと声を出さずに、でも我慢できないというような。

思いっきり私をからかってる。

腹立つー!!



っていうか、水谷のほうが私に向ける視線がアツイ気がするんですけど、

これは私の自惚れ?















お題『視線』

■ヒトコト
すっごい短い感じで。
                                   2005.11.14  南海。

  
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